日本には丸のつく会社が多い。縁起の良い文字であり、分かり易い記号の役割も果たしてくれる。
なぜ、青井でなくて丸井になったか
丸井百貨店は1931年に富山県出身の青井忠治氏によって創業された。勤務先の月賦販売商の「丸二商会」中野店を買い取る形で独立したので、社名が青井ではなく丸井になったという。丸井グループのロゴ「OIOI」は、丸井全店舗の電話番号の下4桁を「0101」に統一するというキャンペーンのときに出来たといわれる。
では、大丸百貨店はどうか。
創業時の呉服店「大文字屋」の名前に由来しているという。京都五山の送り火の「大文字」にちなんで付けられた。
丸は天下・宇宙を示す
大丸のマークは、創業時から使用されており、「大」という字は、「一」と「人」を合わせて「大」とし、「丸」は宇宙・天下を示すことから、天下第一の商人であれという決意が込められたものと伝えられている。
本格的に「丸」を強調している会社が大和ハウスグループだ。創業50周年(2005年4月5日)に大和ハウスグループシンボルとしてエンドレスハートのシンボルが作られた。
赤いメビウスの輪である。細長い長方形の帯を一回ひねり、一方の端の表と他方の端の裏を貼り合わせるとできる。エンドレスに続くことから、永遠を象徴している。
顧客との絆、大和ハウスグループの連帯感と絆が包み込む優しいハートとしている。中心の正円はグループの原点で、和を表す。
大和ハウス、エンドレスハート
⼤和ハウス⼯業株式会社 総合宣伝部 次長 森本和隆さんは次のように説明する。
2000年に入り、連結経営(連結決算)が義務付けられ、グループ経営の重要性が求められる中、グループとしての統一感・連帯感が希薄でした。また 2003年2月、創業から1代で当社の成長を強力に牽引してきた創業者石橋信夫が永眠された。当時の連結売上規模は1兆2千億円弱であった(2003年3月期)。創業者の“夢”(創業100周年10兆円)の実現に向け、次の50年、グループ役職員の心をひとつにどうハンドリングしていくかが経営の課題であった。2004年7月、グループ会社間・部門間の枠を超えたメンバーで構成した『コーポレートブランド委員会』が発足。現状把握のための社員意識調査からグループシンボル、グループビジョンの開発に着手し、2005年4月創業50周年のタイミングでグループシンボル『エンドレスハート』が誕生した
「エンドレスハート」は経営のシンボルとして社内では位置付けており、広告のマークとは⼀線を画し、 ロゴマークではなく、シンボルと呼んでいる。